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Chapter2:Enterprise2.0-「Enterprise2.0の定義」 - hmino - 07-19-2011

前回はWeb2.0のおさらいでしたが今回は「Enterprise2.0」という言葉についてお話します。まあ、この言葉もバズワードですけどね。
実は皆さんもご存知かもしれませんが「Enterprise2.0」という概念を提唱した方がいらっしゃいます。ハーバードビジネススクールのAndrew McAfee教授です。
McAfee氏は金融サービスの分野においてWeb2.0の主にブログ、SNSなどのいわゆるソーシャル・ソフトウェアを企業内で活用する場合にもたらす組織的なインパクトを説明しています。
Web2.0はどちらかというと企業外のシステムおもにフォーカスしているのに対し、McAfee氏は企業内でのWeb2.0の活用を説明しております。
彼はその変化の中で重要な6つのキーワードを示しており、頭文字をとって「SLATES」と呼ばれています。

S(Search):
検索エンジンで必要なコンテンツを検索することです。しかしながら、ユーザーにとって真に重要な情報を適切に提示できる検索エンジンの構築するためには。まだ多くの解決すべき課題があるともいっておられます。

L(Link):
ユーザーが重要なコンテンツに対してリンクを貼れるようにすることである。インターネットの世界では一般的だが、企業内においてはあまり一般的ではないと思います。

A(Authoring):
ユーザー自身が自由にコンテンツを作成し、公開できるようにすることです。具体的には、ブログやSNSが使用されることになるだろう。多くのユーザーから共用されるコンテンツについてはWikiの活用が有効なケースもあるだろう。

T(Tag):
ユーザー自身が、コンテンツに対して分類情報を付加することです。たとえば、“役に立つ”“必読”などのタグを付加することが考えられます。多くのユーザーがタグ付けを行なうことで自然発生的にコンテンツの分類が行なわれることになります。いわゆる、“フォークソノミー”(folksonomy)という考え方です。従来型の管理部門が行うトップダウンの分類(taxonomy)ではなく、人々(folk)によるボトムアップ型の分類を行っていこうという考え方であります。

E(Extension):
こちらは拡張を意味しますが、ユーザーが分類したタグ情報をシステムがパターン化/カテゴリー化し、コンテンツに新たな価値を付け加えることである。たとえばAmazonのリコメンデーション・エンジン(「この商品を買った方は以下の商品も買っています」)と同様に、ユーザーの情報検索やタグ付けのパターンに応じて、そのユーザーにとって重要性が高いと思われる情報をシステムが自動的に判別し、推奨を行なってくれるわけです。

S(Signal):
ユーザーがコンテンツをその都度参照・確認するのではなく、重要な情報が更新された時にシステムが自動的に通知してくれることである。具体的にはRSSにより実現されることが多いと思います。

このSLATESが示しているように最近企業内ではブログやWIKI、メッセンジャーといったものを導入して社員間のコミュニケーションをフラットにし、効果を挙げる企業も増えてきています。
WEB2.0のテクノロジはこのように企業内(Enterprise)においても高い効果を挙げることができることをMcAfee氏は強調しておりますし、私もそれに同感です。
しかしながら企業のみなさんが携わっているITシステムはWeb2.0やSLATESのなかでご紹介してきたマーケティングおよびコミュニケーションのためのシステムだけでしょうか? もちろんそれだけではなく、いわゆる「基幹系」と呼ばれているITシステムにも携わっているかと思います。それらのITシステムは果たしてWeb2.0やSlatesのポイントだけで解決できるものでしょうか?
次回は企業が使用するITシステムとWeb2.0との関係を明確にし、これからの企業のITシステムに必要な要素を明確にしていきたいと思います。